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音を出してみる

単に音を出すと言っても手順は多いですよ。

マスターフェーダをゼロまで上げる

マスターフェーダ(ステレオ出力のフェーダ)を0dBまで上げます。ゼロまで上げるというのも一見おかしな感じですが、絞りきりが-∞で、基準がゼロとなっているのです。フェーダストロークの8割か9割のところに、"0" というポイントがあるでしょう。

CDなりテープなりを再生

インプットセクションに"PAD"があれば、これを入れておいてください。そして、CD(テープでもいいが)を再生してみます。

ただ再生操作しただけでは音も出ませんから心配になりますが、とにかく進みましょう。

インプットセクションのフェーダを上げてからゲイン調整

この機種ではまず、『ON』というスイッチをONさせます。これは、『このチャンネルを使いますよ』という意思表示と思ってください。『ON』が『OFF』のままだと音は出ません。ってなんのこっちゃ分かりにくいな。

次に、『ST』と書かれたスイッチをONさせます。これは、『このチャンネルの音をステレオ出力に送って下さい』という意思表示。もうひとつ『1-2』というのがありますが、ここでは無視します。

そしたら、CDのつながってるチャンネルのフェーダをゆっくり上げていきます。ほとんどの場合、メイン出力(L/R , 2MIX , STEREO)メータがちらちら動き始めるはずです。そのままCDのフェーダを0dBまで上げて、メータの動き具合を見てみます。

そして、メータの動きの最大が0dBになるように、ゲインを調整します。

この機種には別にCOMPというトリムがありますが、ここでは無視します。左に回しきっておいて下さい。

PADはどうする?

現在の特に小型ミキサーにはPADスイッチがついていないことが多いのですが、ついている場合。

ゲインを上げきっても思うように出力が上がらない場合、一旦ゲインを下げきって、PADを切ってから再びゲインを調整します。CDのようなラインレベル機器の場合、PADは入れておかなければいけない状況の方が多いはずです。

逆に、PADを入れてゲインを下げきっても出力が大きすぎる場合、もうフェーダを上げすぎないように注意しながらオペレートするしかありません。ただし、ミキサーの中にはXLR(キャノン端子)に入れたら自動的にPADオフ、TRS/TS(ホーンジャック)に入れたら自動的にPADオン というものも多いので注意します。

そうです、PADというのはゲインを下げきってもレベルを落としきれない時につかう、減衰器(アッテネータ)なのです。おおむね、-20dBのアッテネータとなっています。

パワーアンプを上げる

さて、CDを再生しながら、ミキサーのメーターは0dBのあたりをちらちらしてますね。これは実際の運用では、最大音圧を出している状態です。なのでこのままパワーアンプのアッテネータ(つまみ)を右に回しながら、『いくら何でもこれ以上大きな音は出さんやろ』という音が出るように設定します。

と、ここで『音、デケえな。』と思うくらいに調整しても、案外このレベルは小さいことが多いです。

それまで殆ど音のなかった場所に音を出すので、耳が大きな音に慣れていないせいもあります。また客が入ってくると人が音を吸いますし、客の出すノイズ(お喋りとか)、周辺環境ノイズ(露店の発電機とか)で、結構な音量が必要なんだと後で気づかされるモノです。

マイクの音を出す

CDよりもこっちを先にやる方が多いのですが、マイクの音を出してみましょう。

要領はCDと同じです。一旦CDを止めて、マイクに向かって少し大きめの声を出しながら、CDのチャンネルでやったような調整を行います。

  1. PADがついていたらOFFにする
  2. チャンネルをONにする(上記写真の『ON』スイッチ)
  3. 『ST』スイッチをONにする
  4. フェーダーをゼロまで上げる
  5. マイクに向かって声を出しながら、GAINトリムを調整する

ハウリングチェックを行う

だいたいの現場で、よさげな音量でマイクの音を出すとハウリングが起きます。なので

にしたがって、ハウリングが起きないように調整しましょう。PAという仕事の中でかなりウェイトを置く作業です。

そこまで終わて初めて、実際のオペレートに入っていくことができます。しかし、ここまでの仕込みで実際のイベントを動かすとなると、少々もの足りません。たとえばカラオケ大会なんかだとエコーをかける必要があります。また、ステージには原則としてモニタスピーカが必要になります。詳しくは別のページに書きます。